雨が降る夜にだけ義妹を抱く話【ことらっく】のポイント
責任、取ってよ……お兄ちゃん……
親の再婚で突然できた義理の妹、蒼衣。
ぎこちない同居生活の中、彼女は一向に心を開こうとしない。
それでも俺は、家族になりたくて無視されても拒まれても、ただ優しく接し続けた。
そんなある雨の日。
傘も差さずに濡れて帰る蒼衣を見つけた俺は、初めて知ってしまう。
転校先の学校でも1人ぼっちだったこと。
その夜、部屋の隅で膝を抱え震えながら泣く蒼衣は、か細い声で告げた。
「今まで一人でも平気だったのに……
お兄ちゃんが優しくするから、全部壊れちゃったんだよっ…
責任、取ってよ……お兄ちゃん……」
初めて漏れた本音。
罪悪感に抗えないまま、俺は彼女を抱きしめた。
それは、「雨が降る夜にだけ」許される、秘めた約束だった。